1960年代の文化に
触れる機会が多くなった
以前
吉福伸逸という
ジャズベーシストの本を
読んでいたことがあった
彼は当時たいへんな技術を持つ
ベーシストであった
そんな彼が
バークレー音楽院で
ある出会いを境に
楽器を持つことを止めるのである
その出会いとは
さらなる技術を持つものとの出会いであった
ヤン・ハマーとミロスラフ・ヴィトウスである
当時
祖国の事情で
アメリカに逃れてきていた彼らは
アメリカの地で
これから新しく始まる音楽の
礎を築くことになる
その少し前に
マイルス・デイビスが
革新的な音楽で人々を魅了(困惑)させていた
受け入れらるようになるまで
かなりの時間を要したのであろう
なにしろ
これまでのジャズというジャンルには
あまり見られなかったアプローチであったから
しかし
ここで起こっていたことは
未来の音楽を変えた
そして
インド哲学やチベット仏教などを経由して
自己の内面を深く探究していくようになる
代表的なグループが
ジョン・マクラフリン率いる
マハヴィシュヌ・オーケストラである
先に登場した
ヤン・ハマーもこのバンドに在籍している
音楽好きなら
名前を挙げていくだけで
吉福伸逸がベースをやめた理由が理解できる
なぜなら
そこには圧倒的な技術と自己があったから
ベーシストのゲイリー・ピーコックは
禅や仏教を学ぶために
2年間京都に滞在した
その後マクロビオティックを愛し
自然食生活を送るようになる
来日時に国内のミュージシャンたちと
録音されたものが
数枚残されている
たいへん興味深い演奏である
ここまで書いてきて
吉福伸逸はジャズを辞めただけではないかと
言われそうなので
吉福伸逸のその後を
簡単に記しておく
彼はトランスパーソナルという分野で
その実力を発揮していくことになる
1970年代以降の精神世界を語る上では
なくてはならない存在になっていくのである
詳細はまた後日に
ちなみに当時アーティストの間で
流行していたのが
麦角菌クラビセプス パープレアを利用した
LSDである