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聖アントニウスの火

  • 2022.08.13
    • 読みもの

高木正勝の

『静かな雨』を

聴いている

とても穏やかで

落ち着いた

作品であった

植物の水やり中に流していたら

ある菌のことが頭に浮かんだ

クラビセプス パープレア

麦角菌である

ヨーロッパやアメリカで起こった歴史上の事件に

憶測ではあるが登場してきた

『死の舞踏』

『セイラム魔女裁判』

『エレウシスの秘儀』

などである

麦角菌は

イネ科植物の花に寄生するカビが作る

特徴のある菌核であり

外界に対して強い抵抗力を持っている

当時はたいへん恐れられていた

現在では研究が進み

麦角成分であるエルゴタミンが偏頭痛の

治療に用いられている

一方

まだ麦角菌が恐れられていた当時

不思議なことにドイツでは麦角を

『秘薬』として保存する人たちが大勢存在していた

彼らは麦角を『エルゴット』と呼び

重宝していたのだ

興味を持ったスイスの製薬会社が

どこが

『秘薬』なのか研究したところ

この

化合物の

蒸気を吸引すると意識は正常なのに

種々の幻覚を起こすことが判明したのだ

LSDである

LSDは麦角の毒から

半合成されたものだったのだ

以前読んだ

吉福伸逸の本に頻繁に出てきていた薬物である

トランスパーソナルにも一役買っていたそうである

我が国では1970年に

LSDは麻薬であると指定されて

厳重に取り締りされている

真核生物の不思議は続く

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