詩で人々を導き
目に見えない何者かの力を使い
行動の手ほどきをする
人々に「心」というものが
なかった時代
その後
ソクラテスとプラトンは
ホメーロスの思想と対峙し
新しい心の時代を切り開いていく
時代背景は違うが
映画「ベネデッタ」のラストシーンで
ポール・バーホーベンは
ヴィルジニー・エフィラ演じる
ベネデッタに
「裏切りも神の御心よ」と
サラッと言ってのけさせる
良いものと悪いものを
神という一言で分けることができなかった人々は
果たして不幸であったのだろうか
この文章を書いている部屋で
Jan garbarek
The Hilliard ensembleがECMからリリースした
アルバムが流れている
中古CDショップで偶然見つけた
最近一番の驚きであった
盤に傷は全く見当たらないのだが
音がすこぶる飛ぶのである
盛り上がった頃に
片方の肩が突然下がってしまう‼︎
購入した価格が安かった
ビックリするくらい
でもお店の方は
飛ぶことを決して知る由もない
だってキズが無いんだから
売った人はおそらくソレが理由であろう
売っている人はなぜか
一回転半捻りくらい安く出していた
そして私は今それを安く買って聴きながら
複雑な恍惚感の中にいる
昔
大岡越前守は
それを
三方一両損と裁いたと‥‥
‥‥やはりこれは
飛ぶことを知った上で
売りに行く人がよく無いような気が
するのだが
なんだか売りに行く人の気持ちも
分かってしまい
すごく宙ぶらりんの状態にいる
そこで
しばらくいようと思う
哲学者の鷲田清一がいう
モノゴトに白黒つけない能力が
ここで培われないか
少し期待している